はじめての医療法人設立

Q.社団たる医療法人の社員は、一般的に従業員と呼ばれる人々と同義であるのか否かについて、教えてください。

A.社員は、社団たる医療法人に存在する者です。その医療法人を形成する人々を社員といいます。株式会社でいう株主に近く、従業員とは意味が違います。

1.医療法人の社員
医療法人を設立するということは、その設立を目的として集まった人々が財産を拠出して設立することです。
社員というのはこのように集まった人々のことであり、財産を拠出した人は一般的に社員となります(拠出していない人であっても社員になれます)。
社員となることができるのは自然人のみですから、医療法人や株式会社等が社員になることはできないといえます。社員は3人以上を原則とするのが、都道府県の指導です。
なお、社員となれる資格については、法律では意思能力があればいいことになっていますが、未成年者は妥当ではないとされるのが一般的な都道府県の指導です。

2.社員の議決権
株式会社では株主総会に該当する社員総会には、社員だけが出席できます。
株式会社では持株数に応じて議決権は行使されるのに対して、医療法人の社員総会においては拠出額がいくらであっても社員ごとに1議決権となります。

3.経過措置型医療法人の社員の出資持分
基金拠出型医療法人においては、社員が拠出を行います。一方、経過措置型医療法人においては、
社員が出資を行います。
社団たる医療法人に出資をした財産額に従って、その法人の資産に対して有する財産権のことを、
出資持分と呼びます。ゆえに、社員は出資持分に従って財産の払戻しの請求をできる権利を有しているものの、社員の地位を継続したままで財産払戻しの請求をすることは認められていません。すなわち、出資持分の請求が可能であるのは、退社、除名又は死亡による社員資格の喪失の際に払戻請求権を行使する場合と、社団たる医療法人の解散の際に残余財産請求権を行使する場合に限定されます。